渡邉庄三郎と五霞町(染谷)

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「最後の版元」と呼ばれ、川瀬巴水や伊東深水などを育てた「新版画」の名プロデューサー渡邉庄三郎は、茨城県猿島郡五霞町の出身です。
 その五霞町を車で探索して参りました。写真は五霞町を流れる権現堂川で、対岸に庄三郎の生家があったと考えられます(写真よりもう少し下流だと思います)。この五霞町は今ではのどかな田園風景ですが、すぐ隣は江戸時代に交通の要衝として栄えた関宿藩の関宿(せきやど。東海道五十三次の関宿は「せきじゅく」)です。この関宿は利根川と江戸川の分岐点であり、利根川水系の船が関宿を経由して江戸へと向かいました。江戸時代、東北、福島、茨城などから江戸に様々なものが運ばれましたが、船で太平洋を行き、房総半島を回り込んで江戸湾に入るルートは、波が高く極めて危険で、利根川を登って江戸川を下るという河ルートが専ら選ばれました。よって関宿付近は極めて重要な物流拠点だったわけです。そうした関宿の余光をうけて五霞町も明治まではけっこう栄えたところだったと想像されます。ただ明治二十一年に利根川と江戸川の下流を結ぶ運河が開通してからは、そうした役目を終えることになりました。また河川に囲まれたところから、水害に度々悩まされた場所でもありました。去年の茨城県常総の大水害もこの近くです。それを防ぐために五霞町や関宿の人たちは辛抱強い対策をせねばならず、大変な苦労と忍耐を強いられたわけです。もしかしたら、庄三郎の進取の気性に富むところと、自分のアイディアを諦めずに押し進めるあの粘り強さは、こうした土地柄ゆえのことでもあったのかと想像されます。
 ちなみに五霞町の町長さんは染谷さんと言います。私の祖父の出身は栃木の小山でこの五霞町からすぐ近くです。ひょっとしたら何かで繋がっているかも知れません。

 なお、コメント欄で、やまださんから箱根の彫刻の森美術館で、巴水が展示されているという情報をいただきました。ありがとうございました。9月初旬までやっているようです。
http://www.hakone-oam.or.jp/exhibitions/article_reg.cgi?id=20

この記事へのコメント

  • 桜井美保

    以前、池上本門寺をご一緒した桜井です。五霞町、郷土博物館のバスハイクで行ってきました。庄三郎さんの生家や庄三郎が支援した神社も参拝してきました。
    今年は、大子町にも行きました。なにかと、ご縁ができてうれしく思っています。いつか、大学へも行くことが出来たらと思っています。
    2017年08月30日 17:33
  • 染谷

    コメント、ありがとうございました。
    私たちも一度五霞町には行きたいと考えています。
    その時には色々と教えてください。
    またどこかでお会いしたく存じます。
    2017年08月30日 20:34